”シェアリング”がもたらす社会への影響

1970〜80年代くらいに成長を続けた日本の大企業の経営システム「日本的経営」=企業別組合・終身雇用・年功序列に対して批判的な意見が目立つようになっていて、なんとなく古臭く扱われるようになっています。

これに対しての批判は色々とあるけど、なかなか解決策が提示されていないような気がします。

 

これを解決する手段。「シェアリング」です。

 

日本の経営システムにシェアリングを取り入れる。ってこと。

 

まあこれだけだと良くわからんと思うので、まずは具体的な問題点を明確にします。

そしてこの問題に対してどのようにアプローチしていけば良いかを書きます。

(ここでは問題点を重点的に紹介します。解決策については、触りだけ書くので、あとは興味あれば後に紹介する本を読んでもらいたいと思います。)

 

これ変わります。本腰入れて日本全体で取り組んでいけば、本当に変わると個人的には確信しています。

 

信じるか信じないかは、、、はい。やめときます。

 

 

 

 壊滅すべき経営/組織体制

まず、これについて整理していきます。

よくメディアにおいて”日本的経営”は時代遅れ、アップデートしないとダメみたいな記事がありますが、僕はこのようなレッテル貼りは嫌いです。ここでは”壊滅すべき経営/組織体制”と括ってその問題点を述べることとします。(日本の大企業がこれに当てはまることが多いのは事実ですが。)

 

 

セクショナリズム、官僚的縦割り組織

「営業」「生産」「物流」と言った独立性が強い組織が成り立っていて、お互いの組織間で協力体制が取れていなく、これによってコスト・工数のムダが生じてしまっている状態です。

「営業はいい加減で信用できない」とか「人事が要望を聞いてくれない、何を考えているか分からない」なんかの文句が飛び交っていて、本来協力すべき組織が相手を非難し続けてしまっています。

例えば営業はお客様と直接顔を合わせます。様々な意見を受けてそれを社内へフィードバックするわけですが、それが各部門からすれば負荷としか捉えてもらえず、文句が生まれます。仮に素直に仕事を受けてたとしても、(一時的な場合でも)人手不足を生む事もあります。人員の補強を要請をするものの、柔軟な対応ができず、結局そこに文句が生まれます。そして社内の中で敵をつくってしまい自部門の中でしか協力できない事態があちらこちらで起こってしまいます。

何やってんだか。。。

 

・勤続年数が物を言う年功序列体制

実はこれは基本的に個人の職務の遂行能力に比例して給料を上げていきましょう、という考え方に基づいて”高度経済成長期において”は成立していた体制です。当時においてはこれは成果主義とイコールであり成り立っていましたが現在ではアンマッチです。

そして今となってはこの体制は「事なかれ主義」を生む最大の要因です。年数を積み上げれば確実にキャリアアップができるシステムは、新しい試みにチャレンジする意識を確実に潰しています。

年功序列の恩恵を受けるのは年長者です。年功序列によって高い賃金を得ているベテランの定職率が高くなり、賃金の低い若手は会社を辞めてしまいます。

これを解消する為には360度評価など現場へある程度人事評価を委任する必要がありますが、未だに年功序列体制をとり続けている企業では、人事評価を行う部門が現場から独立しています。

これによって実際に成果を出している人間は評価されずにいるのが現状です。もっと現場と人事間でコニュニケーションを取ることでより柔軟に評価が下せる組織体制にならなければ優秀な人材を取りこぼすことになります。

 

・謎の新卒一括採用

この問題は先に述べた「年功序列体制」の副産物と言えます。そして個人的に一番問題と感じている部分です。

企業側は長期雇用を前提に一体感を持たせて働く事を望んでいます。そして年数が過ぎると上位職へ上がっていける仕組みを持たせていることが理由です。

これは採用方式と言うよりもある意味一つの組織運営のやり方と言えます。

しかし現状は新卒社員は入社後3年で3割が退職します。30代半後半になると半分近くが転職経験者となってしまいます。これじゃあ辞めてしまった新人の人件費だけでなく教育に費やしたコストも含めてムダと化すわけです。

count3to1interrupt.hatenablog.com

しかしこれは一般的に(採用に対しては)手間とコストが削減できると言われています。

僕はこれに反論します。以下のような事により現場にしわ寄せが起きてしまい会社全体で見ると中長期的にはマイナスにとなると考えています。

例えば社内のあらゆる部門に新卒の需要があったとします。現場の人間はもちろん優秀な新人に配属してもらいたいと思いますし組織をうまく循環させるためには、そこで成長してもらい、ベテランは部門の異動やキャリアアップ、あるいはキャリアチェンジを行い新人にはその組織の次代を担ってもらいたいと考えます。

しかし折角配属された新人が直ぐに辞めてしまった場合、上に書いたように組織がうまく循環しません。おまけにコストのムダが更に生じることになります。

そして恐ろしいのはこれが長年続いてしまうとその組織は高齢化し組織事態の活力を失い、人数も少なくなると同時に生産能力も失うことでやがて昔のように上手く機能しなくなります。これは恐ろしい、死活問題です。

 

 

「所有している資産を有効に活用する」シェアリングエコノミーの基本的概念

一旦ここで「シェアリングエコノミー」について触れておきたいと思います。

なぜなら先述した課題を解決する大きなヒントがこの「シェアリングエコノミー」と関係しています。

 

sharing-economy-lab.jp

 

シェアリングエコノミーといえば、「Uber(ウーバー)」、「Airbnb(エアビーアンドビー)」などが代表的ですね。

日本でも「メルカリ」や「LINE TAXI」なんかが注目されてきていて着実に普及していくでしょう。市場規模も2013年に約150億ドルだったのに対し、2025年には約3350億ドルまで成長する見込みです。

 

シェアリングエコノミーは基本的な概念として、「所有している資産を有効に活用する」ことにあります。

 

例えば、自家用車は1日のうちの殆どの時間駐車場に置かれているし、自分が不在の時空いている部屋を使う人もいません。こうした多くの人が持っている資産を上手く活用していきましょうという事が基本的な考え方です。

これは個人間(Peer to Peer)で行われるものでスマートフォンSNSの普及により急速に発展してきています。

 

僕の提案はこの「所有している資産を有効に活用する(=シェアリングの基本的概念)」を経営体制・組織体制へ取り入れることです。

 

 

「シェアリング」を本気で経営に取り込む

 こんな記述があります。

全ての人材が能力を最大限に発揮できる仕組みとは、垂直統制型の古い組織にとらわれず、その人の能力(職能)を評価し、最適な仕事(職務)を提供する仕組みだ。人材を組織に所属する「部員・課員」と考えるのではなく、その人が能力を発揮できるタスク・仕事と考え、会社のリソースとしてシェア・解放する。

 

 ここで言う”垂直統制型の古い組織”とは”セクショナリズム、官僚的縦割り組織”を指します。

そして全ての人材が能力を最大限に発揮できる仕組みを構築するために、既得権益を守る古い雇用制度を排除して、その人の能力(職能)を評価します。

本書では、既存の組織や事業構造から脱却し企業のリソース毎にフォーカスする事でそれを効果的・効率的に運用していく事を推進しています。

例えば、「物流」のリソースは、グッズ(モノ・商品・部品・材料など)・スペース(空間・施設)・タスク(仕事・作業)・トランスポーテーション(輸送手段・車など)が挙げられますがこれを単なる「物流」と位置づけてしまい、組織の末端に追いやっていては企業改革やシステム改革をいくら行っても効果は生まれないと警鐘を鳴らしています。

つまり、事業を組織別ではなくリソース別でカテゴライズする事で リソースの解放・シェアを行うのです。

 

実際各部門へ配属された人材はその能力を最大限に発揮出来ていないケースが非常に多いように思います。

その人の能力(職能)を見ずして配属部署で有効に活用できないまま人件費・人的資源のムダ使いを平気でたなざらしにしています。

このアンマッチを軽視していては非常に問題です。

まさに「所有している資産を有効に活用出来ていない」状態と言えます。

これによって更に副次的に様々な非効率(年功序列・新卒一括採用)を招いていると僕は思うわけです。

 

具体的な方法やその効果などについてはここでは書きませんが、本書を一読すると直ぐにピンときます。

表面的な事でしかここでは書きませんでしたが、これからの組織改革のポイントを深く塾考されており、間違いなく今後の組織体系にマッチしていて、取り入れるべき要素がたくさんあります。オススメです。

 

 

「シェアリング」

 様々なサービスが日本にも浸透し始めてきていますが、その仕組み・構造を覗くと気づきが色々とあるもんです。 

 

続:エンジニアの相対的位置づけ

前回、”エンジニア”と”その他”の位置づけで企業活動が行われていた高度経済成長期からカテゴライズされ、”その他”が入れ替えられつつある。

と書きました。

これだけを見ると、あたかもエンジニアという職自体が淘汰されて縮小傾向にあると受け取れますがそうではありません。

日本企業はエンジニアの人手が足りていません。特にIT分野。

NHKの調べによると、日本のIT企業900社へアンケートをとったところ、全体の9割近くがエンジニア不足を実感しているみたいです。

mayonez.jp

輝かしい日本を牽引していた製造業系のエンジニア需要も(特に自動車分野においては)変わらずありますが、IoTや自動化によって組み込み・ソフトウェア系のエンジニアの需要の方が遥かに高くなってきています。

 

現にITのエンジニア人口は製造業系のエンジニアの人口を既に超えています。

 

製造業エンジニアの平均年収は、30歳で455万円、40歳で625万円に対し、システムエンジニアの年収は30歳で508万円、40歳で702万円と給与面を見ても需要が高まっていることがわかります。

www.13hw.com

どの時代も”エンジニア”という枠組みで考えると、絶対的な存在感であることと、その必要性は変わっていない様ですが、分野別で見ると既にIT分野がエンジニアの第一党になっているんですね。

エンジニアの相対的位置づけ

はじめまして。

一発目は自己紹介やブログの説明から入りたいところですがそれらは抜きにして、

社会人なった頃からずーーっと考えている、タイトルについて独自の見解を述べることから始めたいと思います。

高度経済成長期においてエンジニアになることは、「モノづくり大国」日本を背負っていたことになり、間接的に国家建設(state-building)に係っていたことになります。

こんな言葉が実在している(誰が放ったかはスイマセンわからないです)ぐらいで当時エンジニアという職はとても輝かしく思えます。

実際、製造業によるモノづくりによって日本は経済大国へ昇りつめたことは事実で、1960年代から80年代にかけてエンジニアの存在は経済を発展させ社会を豊かにする原動力でした。

 

当時一般的にエンジニアは、技術開発や製品開発など上流工程で活躍することが求められていて、製品ができてからの下流工程はマーケティング部門・販売・営業部門など、”エンジニアでない人”に任されていることが普通になっていました。

殆どの産業で、そうした役割分担で特に問題は生じませんでしたし、国内はもちろん世界で戦えるだけのポテンシャルを日本は持っていました。

エンジニアが社会へ与えるインパクトがとてつもなく大きかったことがわかります。

とりあえずエンジニアなれば成功、なんかモノ作っときゃぁ儲かるZE。

みたいなノリがあったんじゃないかと思えます。

 

ところが時代は変わり、、、

モノが溢れ、各社低価格路線を模索、そして過当競争に陥り企業力の低下、日本よりも安く製品を作り出すことが出来た中国や韓国がのし上がって来ました。

人件費が安い発展途上国に工場をつくり、日本国内での製造そのものも減少。日本で作られた日本製品は、技術力が高くて品質も良いのですが、やはり途上国と比較すると値段は高い。品質よりも値段を優先する国では日本製のモノが選ばれることが少なく、結局シェアを奪われ衰退していくという末路でした。

 

そして、 

ものづくり産業でもう一度日本が輝く時代は、”ありえない”

Softbankの孫さんが言ってしまいました。

かつて世界を席巻した半導体業界や国内大手家電メーカーのように、経済危機が顕著化し以前から真面目に開発に取り組んでいたエンジニアが大量にリストラされてしまう事態に陥ってしまいました。

「過去の栄光」

残念ながら、この言葉がとても良く染み入ってしまいます。

そして世の中にモノが溢れて単にものをつくり続けるだけでは売れなくなりました。

かといって「いいモノをつくれば売れるわけでもない」んです。

既に言い古された、モノづくりに係っている人間なら一度は聞いたことの有るこの呪文ですが、残念ながら未だにモノづくりの現場は「いいモノ」を作ろうとする訳です。

ただ、一概に「いいモノ」を作ることは悪いことでもなく、間違っているわけでもありません。

「いいモノ」の中身が問題なのです。

つまりプロが認めるいい商品と、ユーザーが考えるいい商品は必ずしもイコールではない。しかし面白いことにモノづくりの現場では平気で間違った、「いいモノ」を作ろうとしています。

 

さて、ここで登場するのが高度経済成長期に下流工程と位置づけられていた、マーケティング部門(等々)なのです。

市場や顧客の動きに対処しながらそれをモノづくりへ落とし込むといった、高度経済成長期と比較するとまさに逆流状態が起きています。

現在では、マーケティングが研究・考察する対象は広く、”社会における自社・市場・競合との関係”で語られることが多く、その役割は欠かせない存在となっています。

 

つまりこの流れを個人の見解でまとめると、

エンジニアと”その他”という位置づけで企業活動が行われていた高度経済成長期から、

カテゴライズされ、”その他”が入れ替えられつつあるという事態が起きているのではないかと分析しているところであります。

 

シャープの奥田社長(当時)が2012年社長就任時に「自社に足りないものは何か?」と問われ、「海外を経験して思うことはマーケティングの弱さ。(高い技術力があるのに)市場をよくわかっていないから、良い商品をタイムリーに出せなかった」と語っています。

  

でも、エンジニアの方々は悲観する必要はないと思います。

その理由はまた今度書きますが。